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川岸で

Surviveとつながってます。フェイカルから勝手に連想妄想しましたが、ネタがネタだけに見事に別物になってます。



満身創痍だった


傍らに大きく美しく成長したあの子供が居た
暗がりでは黒に見えるあの不思議な色の瞳で自分をじっと覗き込んでいる
瀕死の様を観察し、呼吸を数えている

最後のときを見定めるために


痛みは無い
それどころかとうに身体の感覚が無かった
何がどうなっているのかもわからない


浮かんだのは懐かしい友の笑顔
今ごろどうしているのか

出来るものなら、ここでお前と共に在りたかった
だけどおそらくは叶わぬ願い
美しすぎる夢



惨敗、意に染まぬ逃走、川岸の現実

見下ろす相手と視線が合う
微笑んだその瞳に冴え冴えとした光

白い腕がゆっくりと視界の端を横切る


引導を渡すか

慈悲にせよ復讐にせよ
お前には確かにその権利がある
かつて愛玩し苛んだ子供

この日を待っていたのだろう?
前から知っていた


それはとても自分らしい出来事

暗い川縁、淀んだ水
生温い風に吹かれて


振り上げられるは死神の鎌
子飼の者に、刈り取られるはこの命

この上なく自分にふさわしい末路

予期していた事態



…そんなに嬉しいか

ならば、
くれてやろう


受け取るがいい
この首を

何かの役に立つだろう



ともに過ごした記憶も
流れる血も
肉も
全て

お前にやろう


持ち去るがよい
この身に背負う業ごと
残さず食ろうて生き延びるがよい


俺の分まで

(かつて自分がそうしたように)





もう水音は聞こえない
ああ、視界が暗くなってくる

ここまでか



それでも最後の瞬間
俺は眼を見開いた


光を映さぬ瞳に
夢と現
過去と未来が入り交じり
お前の行く末が見えた


果てしなくどこまでも広がる修羅

遠い昔に知っていたような、どこか懐かしい風景が

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