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アクシデント

エドエン気味でちゅーあり。14巻くらいの設定で。エンビがややアンニュイでへたれです。あと割とラストが好きって設定で。



血の池地獄で戦った相手と、廊下でばったり出くわした。
何事もなかったみたいに人間にもどってる。腰まで届く長い髪なびかせて、そのまましれっとした顔で行こうとするから、待てよと、とおせんぼして捕まえた。

要求はただ一つ。お父様とやらの計画を吐け。約束守れ。
あそこから出られただろ?あの手この手で説得にかかる。

わかった。話は聞くよ、鋼のおチ…錬金術師。

そう言って壁にもたれて腕組んで、いかにもうんざりした顔の相手と向き合うこと既に十数分。

しかし話してる途中、ふうん、それで?と言って頬杖をついたまま、赤い瞳、視線が俺を通り越してる。やる気なさ過ぎ。

いや、それだけならまだいい。
遠い目で何見てるんだ。

っていうか、何、アンニュイな顔してんだよ?





(たかが人間に、変なモノ見られた。)
(あれを見て生きて帰った奴なんて居なかったのに。)

(どうせここで死ぬんだと思ったら、感情のたがが外れた。)

(いや、もうずっと前から、調子は外れっぱなし。)
(失敗続き、黒星続き。)

(…頑張ってるつもりなんだけどなぁ。)
(どうして、こうなるんだろ?)

(うまくいかない。)
(あのひとがいなくなったときから、ずっと。)

(もう、会えないのかな。)


(消えちゃったんだよねえ…?石ごと。)

(……おばはん。)




なぁ、こっち見ろよ。
人の話聞きやがれ。


そういおうと思って、手を伸ばしたら、ため息をついて一言。

「言っただろ。だめだよ。お前ら下等生物との約束なんか覚えてないんだから。」

一蹴されて唖然とする俺の前、じゃあね、と行こうとする。
十数分が水の泡。なら話聞くふりなんかするなよな?

頭に来たからそのまんま、襟首掴もうとした。

おいちょっと待てって。
しつこいなぁ。

だけど服に襟がないから出来なくて、勢い余って手が肩をつかみ引き寄せる。
無駄に長い黒髪、指に絡む。うっとおしい。

目の前にいっぱいに見開かれた切れ長の瞳。至近距離。

リンが言ってたとおり、こいつ結構トロい。
(…あいつは、のっとられちゃったけど。)


やり場のない感情。


色々な意味でほんと勢い余って、


気づいたら、





キスしてた。











このエンヴィーともあろう者が不意打ち食らった。


やるじゃない。おチビさん。

でもね、忘れるなよ。
お前なんか、その気になれば食糧なんだ。
一呑みで、食べちゃえるんだよ。丁度この前、やりかけたみたいにね。

釘をさしてやった。


そしたら唇ぬぐいながら、知ってるよ、と一言。
だけど明らかに聞いてなくて、勝手に耳まで真っ赤になってる。

自分から仕掛けたくせにこの有様。


——やってられないね。




fin.




あとがき
2008年の秋頃、エドエンで最初に思い付いた小話でした。でも今、別バージョンで同じ時点の設定使って長編書いてるんでボツになった場面です。展開とか唐突だけど、エンビの「お前なんか食糧だ」が気に入ってるのでここで救済w


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