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Life is beautiful (la vie est belle)


唐突ですがグリード&エンヴィーでパラレル。
舞台はパリです笑ってください。フランス映画好きなんで。
二人がどこの国の人かは決めてないけど外国人としてここにいる。エンヴィーは留学生でグリードは仕事見つけて働いてる。まあそんな感じで。
あ、話がややこしくならないためもエンヴィーは男性設定です。ただしツンデレだけどハートは乙女なタイプの子。一人称は俺八割、僕二割くらい。ちょっといきがってるときは俺ということで。





夜遊びして昼過ぎまで寝た日曜の午後。寝ぼけ頭で起きたらバスルームでエンヴィーにあった。数ヶ月前に転がり込んできた同居人の学生。

「あ、」

Tシャツを脱ごうとする姿勢で向こうが振り返る。ろくでもねえ生活しているのはお互い様で、昨日のままの服で同じように酒臭い。もっとも帰宅は俺よりこいつの方が遅かったのだが。

「お、悪い。ドアが開いていたからよ。…入るのか。」

「うん。」

寝不足らしく目の下に隈のある顔が当然の権利とばかり答え、俺は顔をしかめる。表向き華やかなくせにパリのアパルトマンはどこも設備がオンボロで、うちのは特に給湯器関係がひどかった。一昔前の建物に急ごしらえで電気湯沸かし器みてぇなのをくっつけただけだから、一人が入ると後のやつにはすぐに湯が足りなくなる。つまり先にこいつが入ったら俺はぬるいシャワーを覚悟するか、少し待つかという選択を迫られるのだ。

「わかった。先使え。」

しぶしぶ譲ろうとすると、一瞬間が空いた。

「一緒に入る?」

「バカ、何言ってんだ。」

「俺は構わないよ、別に。」

妙に明るい声だった。

「おいおい、冗談はやめろ…って、え、おい、」

ぱさっ、とTシャツの落ちる音。
長い指が無造作に髪をかき上げて、上半身裸のまま俺を真正面から見る。ぼんやりと見返すと、突然、にやっと満面の笑みを浮かべるから一瞬虚を突かれた。その隙に、ヤツが歩を踏み出す。間合いに入られて俺は後ずさる。壁。

「…ちょ、待て……何を、」

「はっはぁ、つかまえた。」

細身の体は俺より一回り小さい。俺の両脇の壁に両手をつき、見上げるようにしてのぞき込んでくる。顔と顔の距離は三十センチ以下。何のつもりだと流そうとしたら軽く頬にキスされる。朝のご挨拶とばかりに。普段ならここで笑って体を離すべきところだった。
だが、その目を見た途端何故かタイミングを逃した。
すると突然唇にキスが来る。しかも軽くないやつ。さすがに悪い冗談だと思ったがむげに押しのけるのも野暮に感じ、とりあえず成り行きで背に腕を回してしまった。躊躇いもなく舌が入ってくる。熱を帯びて熱い。つい強く抱き寄せた。更に絡まる。

唇が離れたとき、思わず溜息が出た。

「…いきなりだな、オイ。」

「…ん。」

「まだ酔ってるのか?」

相手は答えずぎゅっとしがみつくように体を押しつけてきた。今度はもう明らかな誘惑のサインだった。参ったな、と思いつつも背に回した腕にかかる髪の感触が気持ちいい。頬を寄せた先に頭。整髪料と微かな体臭、そしてアルコールの残り香がまざって鼻孔を刺激した。
そして何より触れあうあの部分が既に熱を帯びている。

…ただの同居人のはずなんだが。

まぁ、いっか。

「…とりあえず、シャワー浴びるか。」


そっちがその気なら、網にかかってやろうじゃねえか。






こうして、真っ昼間からヤッてしまった。

数ヶ月同居して何も起こらなかったのに、成り行きとは恐ろしいもんだ。
今は腕枕なんぞしてたばこを吹かしてる。汗が引いてお互いしばらく無言だった。

エンヴィーが寝返りを打ち、俺も姿勢を変え腕枕を解いた。お互いに向かい合うような姿勢になったとき、ヤツが睦言のように言う。

「そういえばあんた、昨日の夜マレにいただろ。見たよ。」

マレはパリの中心部にあるゲイタウンだ。一見おしゃれな普通の街だが、よく見るとそれを象徴するレインボーフラッグを飾った店やらカフェ、バーがあちこちにある。家族連れに紛れて道歩いてるヤツもよく見ればそっちっぽい。夜はそれがもっと顕著になる。

「あ、何だ声かけてくれればよかったのによ。」

「そうしたかったけど一人じゃなかったからさぁ。こっちが。」

「クソが。」

しかし今こうして俺とこんなことしてるって事は、その誰かさんにはふられたわけだ。

俺たちはルームメイトだった。あいつが大家と大げんかして前のところ飛び出したとき、俺はルームメイトを捜してて偶然出会った。
互いに同じ世界を知る者だという事はすこし前から気づいてた。特にエンヴィーは割とわかりやすかった。
だがあいつに言わせれば俺には女からよく電話がかかってくるからすぐに判別が突かなかったのだという。確かに俺はバイだった。

「昨日になってやっと、やっぱそうだったんだって確信できた。」

「それでいきなりこうくるか?すげぇな、お前。」

今の状況を茶化してやるとエンヴィーは薄く笑みを浮かべ、その後突然、話題を変える。

「…腹減った。市場(マルシェ)、もう終わっちゃったかな。」

俺のアパルトマンの近くには毎週日曜の朝、市場がたつ。

「そんなん、とっくに終わったに決まってんだろ。今何時だと思ってんだ。」

半分開いたカーテンから既に南中を過ぎ、少しずつ西へと動いていく陽光が射し込んでいた。

うん、と鼻にかかった声で返事して寝返りを打ち、うつぶせる。

「今朝、家に帰る途中に見たんだ。八百屋や肉屋が準備を始めてるのをさ。」

「で、徹夜明けのお前はそのまま家に帰って寝たってわけか。そりゃ清々しい朝だな。」

「……いつか、あんたが市場で買ってきたチーズ、あれうまかった。」

「え、ああ。だろ。値段は高いけどな。」

「野菜も新鮮だったね。料理美味しかったよ。」

「だろ。」

忙しいので大抵は冷凍食品か外食だが、俺は時々料理をする。ごく希にだが人を呼んで腕を振るうこともあった。するとぽつりとつぶやく声。

「…今度は俺も何か作るよ。」

「お前が?」

同居以来、エンヴィーが調理らしき調理をしているのを見たことがなかった。

「パリに来たらずっとやりたいって思ってた。朝起きて軽くエスプレッソ飲んだあと朝市で買い物してさ、午後にブランチとかするんだ。」

「お前が市場で買い物?日曜の朝に?」

平日だって午前中に起きているのも、ほとんど見たことがなかった。俺はいつも朝仕事があるからこいつが寝てるうちに家を出ていた。帰ってくるとこいつは夜遊びに出てるか、さもなくば部屋に籠もってるか、または真夜中近くに台所で缶詰か何か開けてボソボソ食ってる。

「は、やめとけって。似合わんぞ。無理だ。」

だから冗談のノリで笑い飛ばしてやったが相手は笑わない。腹ばいの姿勢で顔はこっちに向けたまま一瞬遠い目をした。

「…そうしたいなって思ってたんだよ。ちょっと憧れてたんだ。そういうの。」

「はァ。」

「エッフェル塔近くのおしゃれなアパルトマンに住んで、フランス語もうまくなって…ブロンドの背の高い彼氏が出来てさ…土曜の夜はデート。日曜は一緒にブランチ。」

どうやら金髪がお好きらしい。俺は鼻白む。

「何だそれ。えらい都合いいな。『美しい生活』ってやつか?」

「パリに来たら何もかもうまくいくかなあって…」

そうして盛大な溜息をつく。やってられん。このバカ。ベッドでこんなこと聞かされる方の身にもなってほしい。

「とりあえずちゃんと学校行けよ。お前。」

「…今は休暇中だよ。」

「俺が訊くといつも休暇中じゃねえか。」

「うるさいなぁ。あんたに関係ないだろ。」

「大ありだ。家賃滞納されたら困るからな。お前、国から奨学金もらってるんだろ。バカやると止まるぞ。」

「……じゃあ優しくしてよ。」

すねたような声。何甘えてんだボケ、と即座に言い返すタイミングを逸したのはそのあと躊躇う気配がして、しかも一瞬声をつまらせやがったからだ。ちょっと辛そうに。
そして――ああ、まただ。あの目。さっき、バスルームで俺に迫ったときと同じ。

「頑張れるように優しくしてよ。あんたが。」

気を取り直したように口調はさっきよりも軽かった。口元もぎりぎり微笑みの形に歪んでて、多分本人は誘惑してるつもりだ。なのに瞳が不似合いにせっぱ詰まった光を帯びている。
本人は無自覚なんだろう。だが、必死なのを懸命に悟られまいとしてるのが丸見えで、見てるこっちは何だか痛々しく感じちまう。

お前、隠そうとしてるけど、すっげぇ寂しがりだろ。でもってそれで重くして男に逃げられてるだろ。
――ひょっとしたら昨日もそうだったのかもしれねえな。そのタイミングでのこのこと風呂場に俺が現れたってわけか?

ふと醒めた考えがよぎった。
おいおい当て馬はゴメンだぜ、冗談ぽく流そうとしたら相手がまた耳元で繰り返すから出遅れる。

「ねえ、今度本当に何か作るよ。日曜に。」

「いや、別にいいって。」

「そういうの、一度してみたいんだ。あんたと。」

「…同居人の、この俺と?」

至近距離顔を見ると、相手ものぞき込むように俺に視線を合わせてくる。あ、やべえ。来るな。

「あんたいまつきあってるヤツいる?」

「ヤった後に聞くのがお前らしいな。しかもこの状況で。」

「その答えだと、誰かいるんだね。」

「おいおい答える前に決めつけるなよ。」

「じゃいないの?」

「……ん、特定のヤツは、別に。」

確かに誰とも付き合ってはいないが、男女とも遊び相手に不自由はしていないのだった。フランス女が意外に保守的だったってことをのぞけば、別に。

「それもあんたらしい答えだな。」

ぽつりとつぶやき、そのまま力が抜けたように枕に顔を突っ伏した。声のトーンが変わる。

「煙草臭い…。部屋の中で吸いすぎだよあんた。」

「これでも抑えてんだけどな。…だいいち、共有部分じゃ吸ってねえだろ。」

「…そんなに嫌いな匂いじゃ、ないけどね。」

そのまま顔も上げず、何かをあきらめたように黙り込んでしまうから、今度はこっちが拍子抜けする。
おいおい、強引に攻めてくるかと思ったらこんなとこで引き下がるか。それって最後の詰めが甘くねえか?いや、単なる気まぐれってヤツか。
無言の時間が二分、三分と続き、俺は頭をかいた。

…どうしたもんかなこのクソガキ。

もう殆ど残っていないタバコの火を灰皿で消す。傍らを向き、むき出しになっている裸の肩に手を伸ばした。ぴくりと反応する肌が少し冷えている。撫でるように動かすと長い髪が乱れ、滑らかだが微かにざらついた感触を掌に残した。そういえばこいつと同居してから自宅の寝室に人を入れたことはなかった。特に最近は忙しかったから仕事の合間に遊ぶ程度で人とあまり密につきあってない。

俺は基本的に自由な生活が好きな方ではあるが…。

少し考えてから、とりあえず言った。

「今晩、ここで寝るか。」

一瞬間があった後、淡々とした声。顔はつっぷしたままだ。

「…明日、午前中に起こしてくれるなら。」

だが黒髪の合間にのぞいた頬と耳が上気していくのが見えた。予想以上のわかりやすさに見てる方がどこかこそばゆくなる。
まあ、悪い気分じゃないかもしれん。こういうのも。

「ああいいぜ。起きられるもんならな。明日は特に早いから覚悟しろ。」

うん、と小さい声が答えてまた黙る。少しした後、やはり顔を上げずにぼそりと一言。

「…そっちも覚悟しろよ。」

「何をだ。」

「俺、嫉妬深いから。」



始まりはこんな感じだった。





To be continued....(えっ)



エンビこわいな…w
だらだらゆるく妄想してるので時々こういうのもうpるかと思います。
マイ設定多くてすいません。でもパラレルなのでついw
グリードがバイなのは「全ておk」という意味でまあいいかなと。
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