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雑念手帳

サイトの日記ですが、同人サイト訪問者様用に公開されたJUNK妄想雑文メモ置き場兼ねてます。「何となくこのキャラのイメージで出てきた妄想だけど限定はしない」系の小説未満な小話がごっちゃりです。

ヤヲイ的な関係性萌えと男性ヲタに多い俺嫁的な萌えとの違いについて
最近ついったーでぶつぶつつぶやくくせがついて見事にブログがお留守に…(汗

いけないわってのと、また例によってごちゃごちゃ考えたのでちょっと書きたい事書いておきます。
テーマは、ヤヲイ的な関係性萌えと比べると、キャラに対する俺嫁的な萌えっていうのはこう違うよねえ、という今更だけど改めて思ったことについてなど。
あと、夢小説における自分×キャラと俺嫁萌えとの違いについてもちらっと考えてみました。

電波な感じに長いです。すいません。
ヤヲイに特徴的な関係性萌えと、キャラ単体で萌える俺嫁萌えの違いは、女性と男性の恋愛体験の違いが効いてきていると改めて思う。なお、とりあえず話を複雑にしないためノンケの世界にいる男女を考える。

ノンケの世界において、女性的な立場での恋愛体験は非常に「社会的」な場合が多い。つまり、一対一でその人だけを見るのではなく、その人を取り囲んでいるネットワークや社会とのつながりを含めて恋愛の対象となる相手を見ている傾向が強い。
つまりはその人が外界と持つネットワークをも含めてその人を判断していて、恋愛における関心も、その人が持つネットワークの中に自分をどう位置付けてもらえるか(=私を他の人と比べてどう思っているの?)というところに関心が向かう傾向が強いようにみえる。これは同時に、女性の方が「男性にどう扱われているか」によって周囲の人にあれこれイメージを持たれやすいという話とも関わってくるだろう。例えば「結婚してもらえない」「二またをかけられている」という話は女性の方が、(実際はどうあれ)まだまだ「被害者」イメージを持たれやすい。また男性の方が金や権力がある可能性が高いので、実際被害も受けやすい。

単純な話、女性が「どういう家に嫁として迎え入れられるか」によって境遇が変わっていたという時代の残滓があるのだ。またそうでなくともパートナーの転勤などでで知らない場所につれていかれるような目に遭うのはまだ女性の方が多い。だから愛する人をその所属する社会から引きはがして囲ってしまう、という発想は男性的な恋愛のビジョンの方に馴染みがあり、女性にはまだ少し遠い(もちろん個人差はある。)


話が大分遠いところから始まったけど、本題はここから。

というわけで、この発想が基盤にあると、多くの女性にとって自分×萌えキャラというのはすぐにはピンとこない発想になるだろう。結局俺嫁的な自分×萌えキャラ妄想というのは、萌えキャラをその所属する世界から引きはがし、むき出しの単体のまま自分の妄想というテリトリーの中に囲い込む空想であるからだ。例えば典型的なのは「NHKへようこそ」の作者、滝本竜彦氏の「ひょんなことから自我に目覚め、ゲンドウの所から逃げ出してきた綾波が、小田急ロマンスカーに乗り込み、新百合ヶ丘で各駅停車に乗り換え、生田(作者の家があった駅)までやってくる…」などの妄想だと思うが、文字通り「うちに嫁にこい!幸せにするから!」的な世界がそこでは展開される。(なお、滝本氏の文章『綾波忘却計画』は名文ですので一読をおすすめします。)

対して、「その人が他者といかなる関係を築くか」に敏感な目を持つ人(多くの女性ヲタ)は、萌えキャラを愛するにしても、そのキャラが他のキャラとどういう関係を持っていてどういう世界に生きているかと言うところを大事に思いながら(二次元への)愛を育んでいる。
するとまず第一に自分×萌えキャラを考えようにも「私は萌えキャラの世界にいない」というまず自明の事柄が意識されてくる。また、更なる問題は「萌えキャラが築いている関係性を壊してまで、自分をそこに埋め込みたいと思わない」ことだろう。その時彼女は多くの場合萌キャラとその周囲の人間関係込み込みで萌えているわけであるから。つまり、親友の○○くんにくつろいだ顔で笑いかけている萌キャラを思う方が、明らかに全く関係のない他人である自分との関係性を一から考え直すよりよっぽど魅力的に感じる可能性が高い。
そういうわけで、女性的な恋愛の精神世界にいたひとは、キャラクターをそのキャラが周囲に引き連れている関係性ごと愛することをやめるのが多分難しい。
その肉体をごそっと世界からもぎとるように取り出して、自分のテリトリーに持ってくるという作業が困難で興ざめに感じるのではないかと思う。

なお、ここまで書いておいて女性向けの自分×キャラ妄想には夢小説というのがあるのを思い出したが、それでもやはり結論は変わらない。
そもそも、女性ジャンルでの自分×キャラ妄想が「夢小説」という名前であること自体、とても示唆的である。
何故なら、夢=現実世界ではない、すなわち世界を移動するのはキャラではなく、「私」であるということがそこでは示唆されているからだ。
そして実際見てみると、夢小説には「私=読者」を体現するヒロインがキャラの住む世界の住人であるという設定が多いし、パラレルであった場合も、舞台がとても丁寧に描写されているものが多い。自分の日常住むアパートにあの子が来てくれたら…という発想のものは珍しいだろう。少なくとも私はこれまでみかけたことはない。
やはり、女性ヲタは、キャラ単体とその肉体(の妄想)よりは、キャラが築く世界や関係性の網ごとキャラを味わいたいと思う傾向が強いのだ。

とはいえ、今後男女のカルチャーはどんどん混じってくると思うんで、俺嫁的発想の女子もこれから増えていくだろうとは思う。また男子の方でもそうだろう。

実際自分も、既に俺嫁的に好きなキャラはいるんで、よくわかります…。


というわけで、長くなったからこの辺で。

やばい明日仕事なのにすげえ時間だー。
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