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地平線

エンヴィーパリ留学パラレル「パーティは終わらない」と微妙につながってるロイエド話(うわあわけわからないなw)。
どうでもいいあらすじ:エンヴィーはグリードとつきあう前にエドに惚れていた。エドはパリではウィンリィとつきあっているが、実は留学する前に故郷で、あこがれとも恋ともつかぬ想いを軍人のロイ・マスタングによせていた。しかしこの話は胸に秘めて誰にも言わなかった。
…という妄想。カテゴリーどうすればいいのか分からないのでエドエンのところに入ってますがロイとエドしか出てこないです。そのうち整理します。すいません。
なお、ロイは初めて書くのでちょっとうまくいってないかもです…。


「もっと、もっとだ大佐。スピード上げろ。」

「エド、私を大佐と呼ぶのはやめろ。今は休暇中なのだから。」

「了解、大佐。」

「………。だいたい、そう急がずとも着く。」

「すげー、気持ちいい。うおっ、」

「こら、首を出すな、危ない。…どうした?」

「三つ編みの先が何かにひっかかって、…って、うわ、おい、待て!」

「こら、危ない!」

「髪紐が…」

「何だ?どうした?!」





砂埃のハイウェイ。昼下がり、走った。西へ、西へと。
俺たちの父祖が切り開いた土地。
広大で、終わりがないようで、国境線は越えない。


「どこにもひっかかってないな。風で後ろにとばされたのだろう。」

「うへぇ…。」

「言っただろう。うかつに顔を出すなと。」

「別に命の別状はねえだろ。ちょっとうっとおしいだけだ。」



「ダンプカーでも通ってみろ。髪紐のかわりにその首がないぞ。」

「へいへい。」

「…その髪は切らないのか。」

「ん?…ああ。」

「随分と伸びたな。そうしているとよくわかる。」

「…はは。あんたの前で髪おろすことなんて、ないもんな。」

「あれほど切れといったのに…とうとうそのままで通したな。」

「軍人には出来ねえ芸当だろ。髪型の自由!」

「別にやりたくもない。…もう留学中ずっとそれで通したらどうだ。床屋にも行くな。どこまで伸びるかが見物だ。」

「ははっ、そりゃ散髪代が浮いていいかもな。」



俺は明日、旅に出る。
留学するため、別の大陸に行く。

だからこれは最後のドライブ。



何の最後かって?



「なあ大佐、」

「何だ。」

「結婚式、いけなくてごめんな。」

「…何だ、今更。」

「当日、祝電でも打つよ。」

「かまわん、気にするな。」

笑った。
いつも鋭い瞳がふうと細くなった。


ああ、と思う。

あんたは変わった。

未来を手に入れた男の、顔。

俺にはない。俺には入れない世界。


「そろそろ、風が冷たくなってきた。」

「…ん。」

「戻るか。この先はもう州境だ。これ以上行くと、夜までに帰れなくなる。」

「…………。」

「エドワード?」

「あのさ、ロイ、俺、」

「ん、何だ?」

「………………だ。」

「聞き取れん。もう一度言ってくれ。風の音が…」

「やっぱ、やーめた。何でもない。」

「何だ。思わせぶりだな。」

「いや、ほんと何でもねえんだって。そうだな、戻ろうぜ。」



傾いた太陽がオレンジ色の光を放つ。
地平線の空気が澄んで青くなり始める。

来た道をたどり東へ東へと、帰路につく。

俺はもう、スピードを出せとは言わない。単調なエンジン音。予定調和。



大佐、あんたの勝ちだ。そして、負けだ。

人生のターニングポイント。あんたは立ち止まり、傍らの手を取るために振り返る。
その風景に俺はいない。関係がない。
それはあんたが選んだ世界。


だから俺は前を見る。ずっと進んでいくために。

俺はこの国から出るだろう。
風景は遠ざかり、あんたは過去になるだろう。

そしてあんたが新しい家で星を見上げる頃、俺は見つけるのだ。
地球の裏側で、確かに輝き始めた朝日に照らされながら、海を、山を、街を、見知らぬ人びとを。
まだ夜明けの冷たさが残り、手はかじかむ。だけど確かなものを、つかむんだ。


――――あたらしい俺自身の未来を、この手に。






何故かロイが結婚してますが、まあパラレルなので…。BLとは別に純粋な印象として、一期は大佐が割と落ち着いてしまいそうで(含政略結婚)、エドの方がなかなか身を固めそうにないイメージがありました。二期は…逆なのかな…?



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