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雑念手帳

サイトの日記ですが、同人サイト訪問者様用に公開されたJUNK妄想雑文メモ置き場兼ねてます。「何となくこのキャラのイメージで出てきた妄想だけど限定はしない」系の小説未満な小話がごっちゃりです。

鋼の錬金術師アニメ版感想
久しぶりにすごいのんびりした休日です。

結局、鋼の錬金術師、漫画にとどまらずアニメ版も後半のみ(DVD9-13巻)全部見てしまった。
後半のみとしたのは、話が大幅に変わってくるところを狙いました。
漫画とアニメ、かなり話が違うので。
どのくらい違うかというと、かなり良い具合に別物ですね。
貞エヴァと庵エヴァくらい、いやそれ以上かな。
漫画版とすごく違うのですが、このアニメ版は通してみると、また違う味があって良いですね。
作者殿の方針も思い切って違うモノにしてくださいということだったと聞いてはいたのですが、それが良い具合に実を結んだ気がします。

特に、個人的にアニメ版の「改変」を評価したいのは、ある種の政治的な寓話とも取れる、現実のアクチュアリティに合わせたシナリオ作りがなされていた点です。

このアニメ、ちょうど2003年10月4日から2004年10月2日まで放映されているんですね。で、そのすこし前、2003年3月19日にはイラク戦争が起きています。それに加え、その前の経緯(同時多発テロ、アメリカのアフガン侵攻など)もあるわけですが。
漫画には無いいくつかの台詞、シーンのなかに、こういった世界状況を髣髴とさせる要素がいくつもありました。実際、海外ファンも含め、この点について気づかれた方は多いようですね。

時間の制約がきついアニメ版は、賢者の石の定義とか、ホムンクルスの設定など、フィクションとして面白い部分の設定が、どうしても漫画版ほど緻密には描けないわけですが(漫画版は壮大な謎が19巻かかってもまだ全貌を明らかにしていないわけだし)、その分アニメ版は時事的なアクチュアリティに接近し、民族対立、戦争と政治、巨大な力――科学兵器(恐らくは核)のメタファーとしての賢者の石――とその制御、などのテーマがよりクローズアップされる構成になっていると感じました。
あと、「等価交換」という概念の意味(→頑張れば報われるのか、同じ代価で同じものを得られるほど人生は平等か、愛は代価を必要とするものか、など)を考えさせるという、ある種倫理的な問いに物語を収斂させる持っていき方も秀逸。
いい意味で、「現代の寓話」として楽しめました。



なお、前に一度日記で書いたように、私はキャラ的にはエンヴィー萌えの人なんですが…アニメ版と漫画版でこれまたぜんぜん違いますね~。それこそ庵カヲと貞カヲくらいの差はあるな…。いや、もっとなのかな?だいたい、悪の組織側が同じじゃないんで、ポジションが全然違う…。
アニメ版は強いし頭良いし、とにかくかっこよかったですが、個人的にはヘタレぶりと人外っぷりが際だつ漫画版の方が好きだったりします。
しかしドロドロした逆恨み系ファザコン要素があるアニメ版も捨てがたい…。
難しいところですが、やはりここは性別のはっきりしてない漫画版に一票。
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