忍者ブログ

雑念手帳

サイトの日記ですが、同人サイト訪問者様用に公開されたJUNK妄想雑文メモ置き場兼ねてます。「何となくこのキャラのイメージで出てきた妄想だけど限定はしない」系の小説未満な小話がごっちゃりです。

Second Time(2)(16禁)
Second Time(1)の続き。宮原×美鶴です。性描写入ります。


Second Time



2.

ほんの一瞬の思いつきから、一人で大人しく留守番してるつもりだったのが、まるで違うことになった。

今頃両親は弟達を連れて伊豆に温泉旅行だ。すこし前に母が懸賞で当てた宿泊券の使用期限がもうすぐで、結婚(正確には再婚)記念日も近いからと三連休の週末を利用して旅立ったのだ。俺はといえば、来週の月曜にある模試の勉強を理由にもともと行かないことになっていた。

そして昼下がり、カーテンの隙間から射し込む陽光がまだ明るい時間帯、勉強してるはずの俺は芦川の前に跪いていた。
我ながらとんでもないと思う。

「やっぱり、イかないね。よくない?」

濡れた唇をぬぐい、言った。目の前にはベッドに座り、腰を少し突き出すような格好で後ろ手をつき上半身を支えてる姿勢の本人。
前回、自分が先に舐めてもらってよかったから恩返しくらいのつもりで始めたのだけど今はちょっと途方に暮れていた。

「…いや、そういうわけじゃないけど。ただ…」

眉根を寄せて苦しげな表情で芦川が答える。
俯き加減の顔に当惑とも恥じらいともつかぬ色を浮かべていた。

「ただ?」

「何か、人の口の中に出すんだなって考えると…少し…躊躇いがあるかもしれない。特にお前は知らない相手じゃないし。」

伏し目がちの瞳に睫が長い。ため息をつき、顔を僅かに背けた瞬間にさらりと長い前髪が頬に落ちて、表情がよく見えなくなる。

「へえ…そんなこと思ってたんだ。」

「な、なんだよ。」

思わずぽかんと見つめてたら、目があった。まるでそれが合図だったみたいに、俺は右手に握りこんでいた芦川自身を離す。先程のやり取りで少し気をそがれたのか既に柔らかくなりかけていた。芦川が居心地悪そうに腰を引いて座り直し、俺も身体を離す。
奇妙な沈黙が一瞬流れた。



「なんか、時々かわいいよね。」

「…は?」

「いや、芦川って、時々妙なところでやさしいよなって思って。」

口をぽかんと開けたままの芦川の頬に、ぱぁっと赤みが差した。え、そういう反応するかな?と俺も少し驚く。ついでに微妙な台詞まで吐いてしまった。

「俺、お前のそう言うところは好きだよ。」

「…あ、そう。」

ぶっきらぼうな声で今度は眉間にしわまで寄せて、芦川はまた視線をそらす。
俺も答えは期待してなかった。我ながらかなり恥ずかしいことを言ったなとも思った。
立ち上がり芦川の隣に並んで腰掛ける。芦川はわざと目をそらしたままだ。
上気したままの頬、それとは裏腹に憮然とした表情で僅かに突き出された唇。そんな芦川を見てるだけでこそばゆいような感覚が胸にこみ上げた。ダメ押しのようにまた繰り返してみる。

「うん、お前かわいいよ。」

調子に乗ってそのまま、上気した白い頬にキスしてやった。ちゅ、と派手な音がして、即座にその言い方はやめろよ、と軽く押しのけられる。だけどますます相手の顔は赤い。

こりずにまた一つ、二つとキスを落とす。額、頬、そして唇に。
唇が軽く触れた瞬間、こいつとちゃんとキスするのは初めてだと今更気づいた。
感触を惜しむようにそのまま深く口づけ、腕を伸ばして抱き寄せる。一瞬、相手の身体が緊張したのを感じたが舌を絡めるとすぐに緩んだ。角度を変えて、より深く交わる。
純粋に気持ちがいい。

感触を惜しみながら、唇が離れた。お互い息が上がっている。
触れあう肌がさっきより熱を帯びて感じた。
呼吸を整えるようにして前髪を掻き上げる目の前の横顔には微かな混乱の色が浮かんでいる。
意地悪な気分がもたげて訊いてみた。

「ひょっとしてこういうキスするの初めて?」
「さあ…どうだろうね。」

わざとらしいくらいに尖った声が返ってくる。
顎に一筋こぼれた唾液を手のひらでぬぐう仕草にぞくりときて、手首を捕まえ引き寄せた。そのまま首筋に口づける。くすぐったい、と相手はちょっと抵抗するようなそぶりをみせたが、顎の下に唇を這わせ軽く舐めると、あ、とため息混じりの声を短くあげ黙った。俺の勢いに押され、その上半身を支えていた右手ががくりと一瞬揺れる。

今日は何だか攻めてるな、俺。
さっきの反応といい、面白くなってくる。
前の時は形だけ脱いでみましたって感じで、あとはお互い相手を抜くことに専念してしまったので、こんな抱いて抱かれてみたいなノリはゼロだった。

「…どうするつもりだ?」
ついにベッドの上、俺が覆い被さるような姿勢になったとき、さすがに相手が動揺した声をあげた。
「まあ、この場は任せてみてよ。」
答えずに、乱れた前髪の間から見える瞳が戸惑うように揺れた。

「それとも俺が怖い?」
負けん気の強い芦川の性格につけ込んでわざと挑発してみる。まさか、と言わせるためだ。
更に、あとで俺にも同じことしていいからと交換条件まで耳元で付け加えた。嘘じゃなくて、そのときは本当にそれでもいいかなと思ったんだ。

芦川がふう、とため息をつく。好きにすれば、と小さくつぶやいた。
そのどこか無理してるみたいな、投げやりな口調がいいなと思ったけど特に口には出さない。
居心地が悪そうに身動きしたのを押さえつけて、またキスした。


つづく




毎度ねつ造ぶりが甚だしいですが…。
うちの宮原はヘタレなんだか強引なんだかよくわからない攻です。
PR

コメント

コメントを書く